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大人の6割超が“集合的ロマンティック”を求めていた?! 7月20日『修学旅行の日』調査で判明

  • ノスタルジー

ある日、日本ロマンチスト協会の編集会議で、年間の記念日カレンダーを眺めていたときのことです。

「7月20日」という日付に、ひとつの記念日がありました。

「修学旅行の日」。

……修学旅行。

この四文字を見た瞬間、研究員の間に小さなどよめきが走りました。これは、ロマンの匂いがする。

そう考えた協会は、すぐに調査に乗り出しました。

私たちはなぜ、修学旅行を思い出すとき、少しだけ心がざわつくのでしょうか。なぜ、あの集団行動の記憶には、ただの旅行とも、ほかの学校行事とも違う余韻があるのでしょうか。

そこで今回は、全国の40〜60代の男女300人に、修学旅行について聞いてみました(2026年7月8日、Freeasy実施/日本ロマンチスト協会調べ)。

Q1 修学旅行で、今思うと「もっとしておけばよかった」と感じることはなんですか?

最も多かったのは、「観光地や見学先をもっとちゃんと見ればよかった」30.7%。

……なるほど、そこでしたか。

ロマンチスト協会としては正直なところ、「好きな人・気になる人に話しかければよかった」が上位に来る展開も、少しだけ期待していました。

しかし、大人たちの後悔は、もっと静かなものでした。

思えばあの頃、私たちの関心は目の前の景色より、友人とのおしゃべりや次の自由時間のほうにありました。歴史的な建物も、当時はただの背景だったのです。

でも、経験を重ね、感受性が育ってから、ようやく「あの時行ったアレは、そういう場所だったのか」と意味が立ち上がってくる。

修学旅行はその場で完結する旅ではなく、大人になってから意味が分かる、少し遅れて届く旅だったのかもしれません。

次に、修学旅行の記憶が今も残っているのはなぜかを聞きました。

Q2 修学旅行の記憶が今も残っているのは、なぜだと思いますか?

上位に並んだ理由を見ると、修学旅行の記憶がどこに宿っているのかが、少しずつ見えてきます。

「普段とは違う場所や文化にふれたから」18.7%。
「友人と同じ時間を過ごしたから」が16.3%。
「夜の会話や宿泊先など、日常とは違う時間があったから」が15.7%。

場所。
人。
非日常。

修学旅行の記憶は、どうやらこの三つの重なりの中で、少しだけ濃くなっていたようです。

今回の調査結果を受け、日本ロマンチスト協会は、『修学旅行には、誰かと同じ場所へ行き、同じ時間を過ごし、同じものを見たからこそ感受性が少し開く、そんな体験価値があったのではないか』と結論づけました。

そして、この現象を「集合的ロマンティック」と命名します。

集合的ロマンティックとは、誰かと同じ場所・時間・体験を共有することで、ひとりのときよりも感受性が高まり、記憶や感情が深く残る現象のこと。「ひとりでは、ここまで感じなかった」と思える体験のこと。当協会が提唱する新たな概念です。

最後に、こう聞いてみました。

Q3 大人になった今、修学旅行のように「誰かと一緒に心が動く体験」をするとしたら、どれに参加してみたいですか? 

読書会、ボードゲーム、推し活イベント、サウナ、大人の習い事など、さまざまな選択肢を並べた中で、最も支持されたのは、修学旅行にもっとも近い「旅・地域」の体験(38.3%)でした。

やはり、「旅」なのです。

さらに、何らかの体験を選んだ人は65.3%に上りました。40〜60代の6割超が、大人になった今も「誰かと一緒に心が動く体験」に関心を示したことになります。修学旅行の中にあった、誰かと同じ場所へ行き、同じ時間を共有する感覚は、決して過去だけのものではなさそうです。

過去の旅で受け取りきれなかったものを、大人になった今、もう一度受け取り直したい。そんな感覚が、結果の奥に少し見えてきます。

社会はすでに「集合的ロマンティック」を形にし始めている

いまは、かなり多くのことがひとりで完結できる時代です。カラオケも焼肉もキャンプも、今はひとりでできます。

それなのに世の中には、読書会があり、ボードゲームや推し活イベントがあり、サウナのコミュニティや大人の習い事、まち歩きイベントがあります。そして、増え続けています。

ひとりでも済むはずの活動を、あえて集まり合って行う。そこには、「タイパ」「コスパ」とは正反対のベクトルが働いています。

この感覚は、すでに旅行商品としても形を取り始めています。

2026年7月6日、博報堂とジャルパックは、体験型パッケージ旅行「リアリティショー旅」を発表しました。

参加者に知らされるのは集合場所と時間だけ。初対面の人どうしが、非日常の環境で価値観を共有し、ミッションに挑み、街歩きやグルメを楽しむ企画です。

よくある「大人の修学旅行」と違うのは、行き先が主役ではないこと。

初対面の相手と同じミッションに挑み、その時間と体験を共有すること自体が体験価値となっています。

大手広告代理店とJALグループの旅行会社が、こうした体験型の旅を実証実験として始めた。そのこと自体が、「誰かと集まり、同じ時間と体験を共有する旅」に、新しい可能性が見いだされていることを示しているのかもしれません。

修学旅行は「集合的ロマンティック」の原型だった

修学旅行には確かに、不思議な体験価値がありました。

クラスメイトと同じ場所へ行き、同じ時間を過ごし、同じものを見て、同じ空気を吸う。その場では気づかなかった意味が、年月を経てから少しずつ立ち上がってくる。

修学旅行は、当協会が「集合的ロマンティック」と名づけた現象の原型のひとつだったのでしょう。

個人で楽しめることが増えた今も、人はあえて、誰かと同じ時間や体験を共有しようとしています。大人になっても、人はどこかで、形を変えた修学旅行を探しているのかもしれません。

記事:研究員 佐々木 康弘

調査概要
調査内容:修学旅行の思い出に関する調査
調査対象:全国/男女/40歳以上69歳以下
調査期間:2026年7月8日
調査人数:300人(40代・50代・60代、各100人)
調査機関:Freeasy
調査主体:日本ロマンチスト協会
※本調査結果をご利用いただく際は、「日本ロマンチスト協会調べ」と明記ください。

調査結果全体のPDFはこちら

【主な参考資料・出典】 2026年7月10日閲覧

※本記事は上記資料に加え、関連メディアの公開情報を対象としたデスクリサーチ(編集者調べ)に基づき作成しています。

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